今日の日曜日、朝からとってもいいお天気で、ピッカピカの春の一日でした。
「春あけぼの。ようようしろく なりゆく、
山ぎは すこし あかりて、 むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる」
清少納言の『枕草子』の冒頭です。私は、この気持ちのいい音のリズムが大好きです。
ウーン、というよりは、私は、清少納言の自信満々な言いっぷりがすきです。
「好きなものは好き!嫌いなものは嫌い!そう言って何がいけないの?」
と、笑って問いかけてくるような、天真爛漫な彼女が好きです。
そんなわけで、3月のお教室には、
☆『声に出すことばえほん 春はあけぼの』が一番目のつくところに置いてあります。
そこから少し離れた所に、この時期に必ず置く一冊の絵本があります。
☆『かぜのでんわ 』という絵本です。
以前にも、ご紹介したことがあるかもしれません。
いもとようこ先生の柔らかなタッチで描かれたウサギさんが
赤い電話の受話器を耳にあてている表紙の絵本です。
やまのうえに 1だいのでんわが おいてありました。
だれがおいたのか わかりません。
でんわせんは つながっていませんが、いつも ぴかぴかに みがかれています。
『あえなくなったひとに 、じぶんのおもいをつたえると、
かならず そのひとにとどく…』と言われています。
文字が読めなくても、悲しくて途中で声に出せなくなっても、
絵が語ってくれる絵本です。思わずギュッとしたくなる絵本です。
私にも会えなくなってしまった最愛の人がいます。
二度と「既読」がつくことがないラインに話しかけることもあります。
でも…耳を澄ましていると、その人の声が聞こえてくる気がします。
「だいじょうぶだよ…」そういってくれる声が。
どこかで、目にすることがあったら、是非、是非開いてみてくださいね。