今週はお教室が夏休み、普段なかなか出来ないレッスン室の断捨離をしています。
どうしても増えてしまう音楽雑誌、楽譜、プリント…、レッスングッズetc。
すぐに取り出して使えなければ意味がなくて、
「どこかにあるはずなんだけど…どこだっけ?」では…と思い立ち奮闘中です。
さてと…今日はある生徒さんのお話です。
彼が友人のご紹介で私の教室に入会したのは、小学4年生の春でした。
お母様からは「遅いスタートですが、ピアノと長く楽しめれば良いと思っています。」
そうおっしゃっていただいたことを、覚えています。
とても利発で、お話することは一度で出来てしまうこともあって、
教本に限らず、弾きたいとお話して下さった曲を、レベルに合わせて弾く
スタイルのレッスンで進めて来ました。
いつも穏やかで、口数は少ないながら明るい性格の彼が弾くピアノは、
本当に優しい音色で、土曜日の一番最後のレッスン時間に聴くと、
私の方が癒される気持ちになるピアノ…です。
そんな彼も高校3年生になり、もうすぐ大学受験という時期になりました。
中学受験、高校受験の時は、いつのまにか終わってだという感じで、
レッスンをお休みされることもなくでしたが、
高校3年生になってからは「お勉強を優先して良いから、無理をしないように…。」
そうお伝えしていました。
先週のレッスンの際に、
「先生、医学部を受験することに決めました。必ず戻って来ますので、
受験が終わるまでお休みを下さい。」
いつもながらの穏やかな口調で、でもとても清々しいお顔でした。
しばらくの間、彼のピアノが聴けなくなることは、とても寂しいです。
それでも、「辞めます」と言わなかった彼の気持ちがとても嬉しかったです。
帰り際に「何年かかかってもいいですか?」と笑いながら言う彼に
「そうねぇ〜、何年かかっても〇〇君がお医者様になるのなら、待ってるよ。」
そう話すと、「頑張ります!」と笑顔で返してくれました。
大きな大きな彼のチャレンジに精一杯のエールを送りたいと思います。
そして、医学部生になった彼に再会する日を心待ちにしたい私です。